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大崎善生『ドナウよ、静かに流れよ』
ウィーンで発生した33歳の男性指揮者と19歳の女性留学生という2人の邦人自殺事件を著者が取材したノンフィクション小説です。
ある日の小さな新聞記事に特別な印象を持った著者が独自に取材を進めていく過程で、女性留学生・渡辺日実が著者と比較的近い社会に生きていた存在であることが分かっていきます。そして、残された彼女の記録を辿ることで、この若い女性が何を感じ、何に傷つき、なぜ彼と自殺をしなければいけなかったが分かっていきます。
この著者は、早逝した天才棋士・村山聖の生涯を描いた『聖の青春』や、将棋の奨励会に入会した少年たちのその後を描いた『将棋の子』などノンフィクション小説に特に感動的な作品が多いですが、この作品も渡辺日実という女性の若さゆえの純粋さや人生の巡り合わせなど、強い印象を与えてくれる作品です。非常にお勧めしたい一冊ですね。
