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横山秀夫『クライマーズ・ハイ』
1985年に群馬県御巣鷹山で発生した日航機墜落事故で、地元紙「北関東新聞」の統括デスクに任命された悠木和雅記者を主人公とした作品です。物語は1985年当時の新聞社と谷川岳・衝立岩に挑む現在がシンクロする形で展開していきます。
タイトルになっている“クライマーズ・ハイ”とは、登山家が山に向かう時、無我夢中になって恐れを忘れて突き進むような精神状態を指します。しかし、本作品の主人公は親子関係、社内の派閥抗争、記者としてのあり方などの問題に向き合う度に思い悩みます。脇目もふらずに突き進めればいいのにと思いながらも、そうはいかないのが人生ということでしょうか。
著者の横山秀夫さんは、日航機墜落事故の事件発生当時、群馬県の上毛新聞社にて記者生活を送っており、本書は自身の経験を十二分に生かした形の作品と言えます。大事件を目の前にした新聞社の緊迫感や登場人物間のプライドやメンツのぶつかりあいの描写は非常に優れており、直球勝負といった印象のストーリー展開も非常に好感が持てました。
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