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白田秀彰『インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門』

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門
白田秀彰
ソフトバンククリエイティブ (2006/07/15)

白田秀彰・法政大学助教授がHotwired Japanで連載していた「インターネットの法と慣習」の内容を加筆・修正した作品です。

絶え間なく変化し続け、法と慣習が完全には定まりきっていないインターネットという世界の中で、法はどのようにあるべきかについて論じたのが本書であり、英国において法が整備されていく歴史的過程などを例に取りながら、インターネットの法と現実社会の法で共通する部分、あるいは異なる部分を考察しています。

本書の中で筆者が懸念しているのは、インターネットの世界が政治と一定の距離をおいてきた結果、インターネットの要望が政治の世界に適切に反映されず、2つの世界の断絶を招いている点のようです。例えば著作権の扱いなどを見ても、インターネット側の要望とは異なる方面に進んでいる(彼らから見ると「改悪」)ようですが、これはインターネット側がこれまで政治に十分な影響力を持ってこなかったがゆえに招いた事態とも言えます。

議会制民主主義が適切に機能しないとしたら、それが行き着く先は内乱のようなものでしかありません。政治とインターネット世界の対立が激化する前に、インターネット側は政治に対して自分たちの要望を伝え、政治家たちもそれらを汲み取る努力が必要というのが作者の結論と言えるようです。少々前半部分が冗長な印象を受けますが、これからのインターネットをどうしていくべきか非常に問題意識に富んだ作品だと思います。

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