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トーマス・フリードマン『フラット化する世界』

フラット化する世界
フラット化する世界
posted with amazlet on 06.08.12
トーマス・フリードマン(著) 伏見威蕃(訳)
日本経済新聞社 (2006/05/25)

著者のトーマス・フリードマンはニューヨーク・タイムズ誌の外交問題コラムニストです。現在までピュリッツァー賞を3度受賞しています。

1492年に西インド諸島にコロンブスが到達し、「世界は丸い」と報告してから約500年、著者がインドのバンガロールから帰国して妻に伝えたのは「世界は平ら(フラット)なんだ」という言葉でした。著者は「フラット」という言葉を通じて、2000年頃を境にした世界のルールの変化を表現しています。

ITバブルの熱狂の遺産として残った世界をつなぐファイバー網、企業に広がるアウトソーシング/オフショアリングの動きとグローバルなサプライチェーン、標準化が推し進められ個人メディアが台頭したネットの世界、これらの動きが地理、組織の階層、ビジネスプロセスの壁を乗り越え、激しい競争と機会に恵まれた“フラットな世界”をもたらしました。

30年前なら中国の天才よりもニューヨーク州のポキプシーで生まれた凡人の方が機会がありました。しかし、「いまなら、ポキプシーの凡人よりは、中国の天才として生まれたい」とマイクロソフトのビル・ゲイツ会長は表現します。本書では、これらのフラット化する世界の動きとそのような世界で成功していくための条件が述べられています。

本書は、IBMの「スペシャルになろう。what makes you special?」の広告の中にも取り上げられており、読む前から評判の良さは聞いていましたが、確かに素晴らしい作品だと思います。どちらかと言うとビジネス書的な読まれ方をされていることが多いようですが、フラット化する世界とテロリズムについての関係を論じた第五部を中心に国際関係学の本としても多くの示唆に富んだ作品と言えます。将来的には古典的扱いをされる可能性も十分にあるでしょう。上下巻800ページに及ぶ大作ですが、出来るだけ早く読むことをお勧めします。

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