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門田隆将『裁判官が日本を滅ぼす』
少年達による集団リンチ事件や大病院の医療ミス、メディアによる報道に対する名誉毀損問題などで下された「誤審」の数々を紹介したノンフィクション作品です。
最初に「誤審」という表現を使いましたが、本書で取り上げられている「誤審」というのはあくまで筆者の側から見た主観的なものに過ぎません。そのため、裁判が単純に罪を罰する場であるのか、それとも被告の社会的更正を第一とする場であるかの考え方の違いもありますし、筆者自身がマスコミ側の人間ですので、マスコミの「言論・表現の自由」に対して肩入れする立場にあることもあり、本書で取り上げられている判決の全てが全て「誤審」と断じていいものだとは思いません。
とはいえ、裁判官の偏った倫理意識や外部利権集団からの圧力、あるいは事件の背景に対する不十分な知識により公正な判断を欠き、審議の過程で判決を決定するのではなく、審議の始まる前から偏った判決が導かれているということがあるのも確かです。本書ではそれらの判決の背景分析や裁判で敗れた当事者達の意見などを紹介しながら、誤審を行った裁判官を糾弾する内容になっています。
センセーショナルな内容であり、読者の方のレビューを眺めていると、裁判官の方達に対する厳しい意見が多いようです。ただし、「裁判官が日本を滅ぼす」というのはすなわち、裁判官という職業は日本の将来を左右しかねない極めて重要な職業であるということです。裁判に関わる人々の人生に大きな影響を与える重要な判断を強いられる職業だあるからこそ、国民が不公平だと考える判決になった場合に厳しい見方をされてしまいます。身命を賭して心眼を磨き物事を判断しなくてはならない裁判官という職業の重要性を改めて認識させられる作品だと思います。
