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ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて―第二次大戦後の日本人』
敗北を抱きしめて―第二次大戦後の日本人
posted with amazlet on 07.01.21
ジョン・ダワー(著) 三浦陽一(訳) 高杉忠明(訳)
岩波書店
岩波書店
上下二巻。著者はマサチューセッツ工科大学の日本近代史を専門とする歴史学者。本書は2000年のピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門を受賞しています。
本書では、1945年の日本降伏から1951年のマッカーサー離日までの日本の歩みを描いた作品です。上巻では主に、敗戦によるパラダイム・シフトが起こる中での一般国民の価値観・行動の変化を、旧軍人の扱いや闇市、米兵相手の売春婦などを取り上げ、下巻では主に昭和天皇とGHQとのやり取り、憲法制定の舞台裏などが取り扱われています。
地理や民族や言語の観点から、日本人の特殊性を強調する言説というのはよく聞かれる話ですが、本書で描かれた戦後の日本人からは、他の国の人々とまったく変わらぬ普遍性が見えてきます。戦中の極限状態のストレッチから解放された日本人には、生き抜くための図太さや諦めにも似た達観といったもの表面から浮かび、それらが伝統的な日本人的価値観に勝った印象を本書の中の日本人からは受けます。この作品は、外国人の作家が描いたことにより、自分たちでは分からない客体的な日本人の側面を垣間見ることが出来る優れた作品だと思います。
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