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ジョエル・スポルスキ『ジョエル・オン・ソフトウェア』

Joel on Software
ジョエル・スポルスキ(著) 青木靖(訳)
オーム社 (2005/12)

著者は、Microsoft Excel VBA開発チームの元マネージャで、現在はFog Creek Softwareというソフトウェア会社を経営しています。

この本は、著者のサイト・Joel On Softwareのエッセイをまとめた作品です。このサイトのエッセイは現在でも、Japanese - The Joel on Software Translation Projectで日本語への翻訳作業が行われています。本書では、著者の経験に基づいたソフトウェア開発プロジェクトや人材登用などのプラクティスが濃密に盛り込まれており、IT業界に限らずプロジェクト管理に携わる方なら参考になる部分が数多く発見できる作品だと思います。

本書の中の思想を一言で表現するならば「現実主義」ということになると思います。プロジェクト内部のプログラマーに対して、仕様書やテストの重要性、作業の費用対効果の考慮などを徹底する一方で、プロジェクト外部の人間に対しては、作業の進捗状況を分かりやすく理解してもらうための特別な配慮をしているのがスポルスキ氏のやり方です。

IT業界というのは専門が高度に分化しており、プロジェクト内外や開発者とユーザー間などで事実に基づいた議論というのが難しい側面があります。そのため、それぞれの直感に基づいた行動や不毛な誤解などが発生する余地が多いのですが、スポルスキ氏の方法というのはそういった側面を配慮しつつも、着実に成果を出す原則を徹底しているところに強みがあると思います。

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