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西川美和「ゆれる」
オダギリジョー、香川照之出演、西川美和監督。昨年夏に公開された作品です。
法事で戻った実家で再会した東京で活躍する奔放な弟と実家を守り続けた実直な兄。兄が密かに恋心を抱いていた幼なじみの女性を弟が抱いた翌日、3人で向かった渓谷でその女性が橋から墜落するという事件が発生します。一緒にいた兄による殺人なのか、それとも不幸な事件だったのか、裁判の過程で弟は記憶と自分の考えていた兄の姿に確信が持てなくなりゆれていきます。
特に印象的なのが、事件現場となったつり橋のシーンです。文字通り“あぶない橋”を一人で先に渡って対岸に到達する弟、橋を渡るのを躊躇する兄、河原に兄を残して弟の方へと一人で歩み出す女性。つり橋の半ばで女性にしがみつくような、あるいは止めるような格好になる兄。女性が兄を振り払ってまもなく女性の墜落事件が発生します。
映画のクライマックスに至る7年後の顛末は少々ありきたりな印象を受けますが、それに至るストーリーはグイグイ引き込まれる迫力があります。特に香川照之さんが表現した、内面にいろいろなモノを抱えた上での表面上の静けさという兄の姿は素晴らしいものがありました。間違いなく満足できる優れた作品だと思います。
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