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レスリー・デンディ、メル・ボーリング『自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝』
自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
posted with amazlet on 07.04.15
レスリー・デンディ(著) メル・ボーリング(著) 梶山あゆみ(訳)
紀伊國屋書店 (2007/02)
紀伊國屋書店 (2007/02)
科学的探求のために自分の体を実験台にした“モルモット科学者”の物語です。
この本の中では、1770年代から1989年までに行われた合計10例の人体実験が紹介されています。黄熱病やペルーいぼ病の媒介物を証明した人、いろいろな物を飲み込んだり、人間がどれだけ高温に耐えられるか事件した人、減速の衝撃や毒ガスなどを調査し、安全対策に尽力した人など、キュリー夫妻を除き、決して有名ではないが科学に多大な貢献をもたらした科学者達が登場します。
彼らはその道の専門家であり、この人体実験にどのような危険性があるかをある程度予測することが出来ます。そんな状況の中で、人に任せるには万が一の危険性があるため、あるいは死に至るという結果を求めているため、彼らは他人ではなく自分自身をモルモットとして実験に挑みます。第9章で登場するジョン・ボール・スタップが、幼少時に父親から『殉教者列伝』のような宗教書だけを読むように教育を受けていますが、彼らこそが近現代の殉教者に近い存在とも言えます。彼らの中には実験の直接・間接的影響で命を落とした人々もいますが、現在の科学による進歩が彼らの自己犠牲に支えられたものであることは心の隅に置いておいてもいいかと思います。
