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ギル・アメリオ、ウィリアム・L・サイモン『アップル薄氷の500日』
ソフトバンククリエイティブ (1998/08)
1996年2月から1997年7月までアップルのCEOを務めたビル・アメリオ氏による回顧録です。
当時のアップルは危機的状態にありました。取締役会ではサン・マイクロシステムズやIBMの身売りが議論され、資金はショート寸前、社員はシリコンバレーの他の企業の草刈り場となっているような状態。そのアップルの取締役、そしてCEOに就任したアメリオ氏は、広がりすぎた製品ラインを絞り込み、社内の指揮系統を整理、断絶状態だったマイクロソフトとの関係の修復などに乗り出します。しかし、自分の信念を押し通すことが出来ずに発表してしまった杜撰な業績予想が結果的に尾を引き、改革の成果を受け取る前にスティーブ・ジョブズ氏に追い落とされてしまいます。
本書はアップルにおける「敗軍の将、兵を語る」であり、アメリオ氏の語る当時のアップルの問題点、彼が達成したこと、問題のあった点は十分に納得できる内容だと思います。ただし、アメリオ氏の努力により、復活に向けた準備の整ったアップルに必要だったのは、ジョブズ氏のようなビジョナリーなリーダーであり、市場の信頼を得られなかったアメリオ氏自身ではなかったと思います。アップル復活の最大の功労者ではありますが、市場のセンチメントが求めた経営者ではなかったということでしょうか。