« 2007年4月に読んだ本 | Home | 仕事のパフォーマンスを向上させるために普段の食生活で心がけていること »

英語力とIT業界の将来

英語の「脳トレ」が足りない日本のゲーム産業【コラム】 デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS
このところ、政府・行政に関わる人にお会いする機会が増えた。「どうしたら日本のゲーム産業の競争力を拡大・維持できるのか」ということが話題になる。「ゲーム開発の現場の人間の英語力を引き上げるのに予算はつかないのか」という提案になることも多いが、「やっぱり、そういうオチになりますか」と困った顔をされる。

開発者の英語能力不足で競争力を失う日本のゲーム業界に関しての話です。これはIT業界でもまったく同様の状態です。業界標準となるハード・ソフト・規約のほぼ全てが英語圏で生まれた、あるいは英語で記述されている状態で、そのうちの一部しか日本語に翻訳されることがなく、翻訳されるにしてもだいぶ時間差があります。しかも、近年は業界全体が不況で、翻訳作業で十分な対価が得られないためか、ベンダー・出版社としても翻訳作業にリソースを割けない状態にあるように感じます。

私もこの4月まで在籍していたプロジェクトでは、この記事の中のチーム内のハブ役のようなこともやっていましたが、IT業界でも業務で使えるレベルまで英語を読みこなせる人間というのは限られています(使えるようなレベルの人はコストが高く、コストダウンが進む現場では使いたくても使えないのかもしれません)。個人レベルで言えば、競争力を維持するためには英語力を身に付けましょう、で済んでしまう話ですが、業界全体の将来性を考えると深刻な側面があると思います。

短期間に大量の移民が流入することは考えにくい以上、日本のIT技術者の英語レベルが飛躍的に向上するというのは考えにくいことです。日本語での技術情報の少なさが、技術知識の不足という形で徐々に影響を及ぼし、それがシステムトラブルの増加などにつながることも予想されます。また、英語が必須というのが参入障壁となり、IT業界を敬遠する人が増えてきて、人材不足が悪化するということも考えられます。人材不足が既存のIT技術者への負担の増加という形で反映され、それが技術者の逃避を招き、それがさらなる人材不足に跳ね返るという悪循環を引き起こす恐れがあります。

この記事の著者は、「英語力を付けた開発者の育成は割けて通れない」と「(人材流出に対抗するための)労働意欲を感じさせる魅力的な環境を整えなければならない」を一つの結論にしています。ゲーム業界はそれが適切なのかもしれませんが、IT業界に関しては製品の供給元ベンダーがコストを負担して日本語情報を提供するのは必須なのではないかと思います。短期の業績で判断される傾向が強まる中、長期的な視点にたって行動するのは難しい側面もあると思いますが、その製品の日本語情報が増えれば、技術者の裾野が広がることも考えられます。そうすれば、人件費も含めたトータルコストで見た時の製品の競争力が向上し、それがベンダー自身に返ってくるケースも出てくるのではないでしょうか。

Trackbacks

Trackback URL for this entry:
(※言及リンクのないトラックバックは拒否されます)

Post a comment


Categories

Archives

Meta

RSS 2.0 RSS 2.0 / Atom Atom
Powered by Movable Type