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2007年度第2四半期の公的年金運用は1兆6000億円の赤字

公的年金の運用、1兆6千億円の赤字…サブプライムが影響 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人は5日、2007年度第2四半期(7~9月)の運用実績が、1兆6328億円の赤字となったと発表した。赤字は06年度第1四半期以来だ。世界的な株価下落や、急激な円高が影響した。
同法人は、公的年金の積立金を国内外の債券や株式などで運用しており、運用資産の総額は約91兆円に上る。

2007年度第2四半期の公的年金の運用結果が約1兆6300億円の赤字になったというニュースです。この記事だけを見ると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用に失敗したと早合点してしまいそうですが、実際のところはそうとは言えません。なお、損失額の桁が大きいのでどの程度失われたのか分かりにくいですが、運用資産が約91兆円なので損失の比率は2%にも満たないということになります。

GPIFの運用方針というのは公的年金積立金運用の基本的な考え方についてというページで紹介されています。そこに記載されている目標というのは「長期的な観点からの安全かつ効率的な運用」であり、具体的には「名目利回り3.2%、実質利回り1.1%を長期的に確保すること」ということです。この目標利回りは国内債券(期待利回り3.0%)だけでは達成出来ないため、必然的に株式などのようなハイリスク・ハイリターンの投資対象も組み込む必要が出てきます。ただし、GPIFはリスクを抑えつつリターンを確保する工夫として「分散投資」を実施しており、長期的な視点での目標を達成を想定したポートフォリオ策定を行っています。長期ですから10年20年単位での平均利回り確保が重要であり、四半期ごとの結果でマイナスになる期間があったからと言って、それが運用失敗と決め付けられるものではありません。

ただし、いつもいつも赤字では将来的に取り返す見込みもなくなります。では、一期前の2007年度第1四半期の運用成績がどうだったのか「平成19年度第2四半期運用状況(pdf)」を見てみると、約2兆3700億円の黒字で、実は第2四半期の赤字額よりも大きかったということが分かります。ただし、今年はサブプライムローン問題で、第3・第4四半期も第2四半期と同じくらい赤字になるかもしれません。その場合は、年間では約2兆5000億円の赤字(2兆3700-1兆6300×3)になります。これもかなりの額の赤字ですが、昨年2006年度はと言うと、約3兆6000億円の黒字でした。また、2005年度は約8兆6800円の黒字です。年間ベースで言うといつも黒字というわけではなく、2年連続年間収支が赤字になることもありますが、2001年度から2006年度までの平均利回りは3.26%で長期的には確実に資産を増やしてきた、というのがGPIFの運用成績です。この記事だけ見て余計なことせずに安全性資産で運用すればいいなんていう人がいますが、結果から見ればGPIFの運用方針の方が私たちの年金に貢献してきたことが分かります。

GPIFというのは運用成績が黒字の場合は褒められもせず、赤字の場合はマスコミ・国民から一斉に非難されるという可哀想な存在です。彼らがやっているのは金融理論に基づいた永続性のある投資行為であり、一人一人の国民はそれを理解し、短期の変動には狼狽せず、GPIFの運用方針にブレがないか監視することが必要だと思います。なお、GPIFのポートフォリオの資産配分(国内債券58.5%、国内株式17.9%、外国債券10.5%、外国株式13.1%)は退職金を運用しようかと考えている年配の方には最適だと思いますので、参考にされてはいかがでしょうか。

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