« Books of the Year 2008 | Home | 2009年新年のご挨拶 »
大学時代にやっていた英語の勉強法
訳すな、頭から読め - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake
訳さないで頭から読む、英語に限らずあらゆる語学はこの方法で読むのが一番よいと信じる。効能は三つ。1.読むのが早くなる 2.(発音さえ聞き取れれば)耳で聞いてすぐに分かる 3.自分が話したり書いたりするのが楽になる。
頭から読むとは、外国語を一字一句日本語に置き換えながら逐語的に読み上げる訓練メソッド。声に出してやるのがおすすめ。記憶への定着が早いし、どこで詰まるか自分の癖を把握しやすくなります。すべての単語を日本語に置きなおします。冠詞でも、前置詞でも。さぼってはいけません。さぼればさぼるだけ身に付かないと思ってくださいね。
少し前に話題になっていた英語読解法について主だった記事を読んでみました。私はこの人たちほど英語が得意ではないのですが、英語の勉強法について聞かれることがそれなりにあるので、自分の棚卸ということで大学自体にやっていた英語の勉強法について書いてみたいと思います。ここで紹介するのがお勧めの勉強法というわけではなく、自分の場合どうしてきたかを書いただけなのは先に断っておきます。
改めて私のケースを書いておくと、幼少期に英語圏(オーストラリア)に住んでいたものの、5歳直前に帰国してほどなく英語は完全に忘れてしまい、大学入学時点で英語は一番の苦手科目でした。その後、国際系の学部ということもあり、周りに遅れを取らないように少しずつ勉強を続けた結果、大学4年の時に受験したTOEICのスコアは865点まで行きました。卒業後はあまり根詰めて勉強していないので、850点前後をキープしたままです。幼少期の力が勉強の結果覚醒したなんて都合の良い話もなく、徐々に出来るようになったというのが実感です。凄い出来るというほどでもありませんが、仕事上支障がないので当面はこのままだと思います。
英語学習について、ラジオ講座やテキストなど色々な教材を試してみましたが、その中でも一番続けられたのは、BSで放送されている英語圏の時事トーク番組を英語で見る(聴く)、という勉強法です。私は集中力がないほうなので、ラジオ講座を聴いていても他のものが視界に入って気を取られたり、テキストを開いても周囲の物音が気になってじっと座っていられなかったり、ということがよくあります。その分、テレビ番組であれば視覚と聴覚が両方占有され、寝転がりながらでも見られるので、続けやすいというのもあったと思います。
英語の勉強の際に、「自分の興味に合わない題材のものはやらない」というのを一つの前提にしています。国際系の学部ということもあり、当時の私にとって英語圏の政治や経済に関する時事トーク番組は教材として最適でした。しかも、同じ内容を繰り返し見るのではなく、ほぼ毎日内容が変わるというのも“続ける”という観点では良かったと思います。英語の学習効果という意味では、同じ教材を繰り返しやる方がいいのは確かですが、私の場合は途中で飽きてしまいます。学習法として効果的でないとは言え、英語アレルギーの自分にとって取っ掛かりとしては悪くなかったなと思っています。それでも最初は何を言っているか分からずに苦痛でしたが、続けるうちに徐々に分かるようになっていきました。
ところで、毎回教材が新しくなるとは言え、こういう時事トーク番組で「最初に訳書を読む」のようなことが完全に出来ないわけでもありません。それは単純に新聞の国際面や週刊誌の記事を読んで背景を理解しておくということです。そこで出てくる国や組織や人物の名前を頭に入れておくだけでも、圧倒的に理解が深まります。ここでは、時事トーク番組を例に挙げましたが、英語のPodcastなどを聴く場合でも同様です。例えば、ITニュースに関するトーク番組のCNET Buzz Out Loudを聴いているならば、放送日のニュースについてCNET Japanなどの記事を一通り読んでいるだけでもかなり違います。事前準備も含めて時間を割くことを考えると、興味のない題材で勉強するのは望ましくないと思います。
ここまでリスニングの話しかしていないのですが、リーディングの上達もリスニングに引っ張られるように伸びていったというのが実感としてはありました。とはいえ、リーディングの時も基本は頭から順番に読むようにしているのですが、リスニングの対象に比べて長いセンテンスが多いこともあり、読んでいるうちに何について書いていたのか分からなくなることもあります。そういった場合には、頭から読むのに固執せず、意味の分かる単位に区切って、後から改めて前後の修飾関係を読解するようにしています。例えば以下の例文があります。
Christmas is the Christian holiday that celebrates the birth of Jesus, who Christians believe is The Son of God. Christmas means "Feast day of Christ". However, it is not pronounced as Christ Mass; it is pronounced Kriss-muhss.
最初のセンテンスは修飾する節が2つくっついていますが、こういうのは文章構造によっては何を修飾しているかで若干混乱するかもしれません。また、単語力があまりないので、「Feast」がどういう意味の単語なのか分かりませんでした。そこで、以下のように区切って読むようにします。
Christmas is the Christian holiday (クリスマスというのはキリスト教のホリデーです) that celebrates the birth of Jesus, (それが祝っているのはイエスの誕生です) who Christians believe (その人はキリスト教徒が信じています) is The Son of God. (神の子であると。) Christmas means "Feast day of Christ". (クリスマスが意味するのはキリストのFeastの日です。) However, (しかし) it is not pronounced (それは発音されません) as Christ Mass; (キリスト・マスとは。) it is pronounced Kriss-muhss. (発音されるのはクリスマスです。)
基本的に頭から読むのは変わりませんが、意味のある程度分かる範囲で一度切ってしまい、改めて何を修飾しているかを見ます。元々の文章を頭から理解しようとしても、「クリスマスというのはキリスト教のホリデーでそれが祝っているのはイエスの誕生でその人はキリスト教徒が信じるには神の子です」となり、「なるほど、イエスは神の子なのかぁ」などと一時記憶域が鶏並みの私が冒頭のクリスマスのことなんて忘れて理解した気になって次に読み進めると、「クリスマスが意味するのは~」と来て面食らうということになります。文法構造を考えれば、 SVC構造になっている「クリスマスというのはキリスト教のホリデーです」がメインなのはすぐ分かることです。日本語は重要なことを後ろの方で言いますが、英語は重要なことほど前に言う傾向があります。その辺りの頭の切り替えが出来ないと、後ろに出てくる修飾節に引きずられ、英語を頭から読むのは難しい気がします。というわけで、修飾対象を明確にして、分からない単語を調べた結果以下のようになります。
クリスマスはキリスト教の休日で、イエスの誕生をお祝いします。イエスは神の子であるとキリスト教徒は信じています。クリスマスはキリストの祝祭日を意味します。ただし、「キリスト・マス」ではなく「クリスマス」と発音されます。
ちなみに蛇足になりますが、翻訳文を自分なりに書くならば、最初の文章の語順を若干入れ替えて以下のようにすると思います。日本語としては、クリスマスの話であることが分かりやすくなったんではないかなと思っています。
キリスト教には、神の子として信仰されているイエスの誕生をお祝いする休日としてクリスマスがあります。クリスマス(Christmas)は、「キリストの祝祭日」を意味していますが、「キリスト・マス(Christ Mass)」ではなく、「クリスマス(Kriss-muhss)」と発音します。
こんな感じの勉強法をするようになってから、英語が苦手科目からどちらかと言うと得意科目へと変わっていきました。振り返ってみると、効率の悪い部分の大きい勉強法だなという実感はあります。何度見ても飽きない本などがあれば、翻訳本を読み込み、原著にあたり、オーディオブックなどを使ってシャドーイングという方法もあったと思いますが、そういう対象がなかったから仕方ないというところです。英語は継続性が重要であり、継続するには“苦行”であっては難しい部分があります。自分なりに興味のある教材を見つけてからが英語学習の再スタートなのではないでしょうか。